特集みんな、生成 AI 時代の 1 年生第 8 回
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授業のセット:AI を使うかは、何を身につけたいかで決める
先生向けの
AI で書いた作文を、どう見ればいいか。うまいかへたかでも、AI かどうかでもなく、見たいのは、その子の言葉。宿題のねらいを先に言ってみる。
同じ終わり方の作文が、何枚も出てきた。AI で書いた作文を、どう見ればいいのか。この回は、そこから始まる。
同じ木曜の夜を、担任の目で描いた。AI の判定ツールにかけても「どちらとも言えません」。そこで先生は、自分が宿題の「何のために」を言っていなかったことに気づく。誰かを叱って終わる話ではない。先生は自分で決めて、動く。
セリフを文字で読む
- 1 ページ目 サチのモノローグ:三十二枚。あと十枚 サチ:……同じ終わり方 サチ:五年生が、こんな言い方、するかな
- 2 ページ目 久保田:それ、AIだね。最近は多いんだ サチ:見分けられるものですか? 久保田:ツールに通せばいい。分かったら、書き直させればいいんだよ サチ:どちらとも、言えない…… サチ:わたし、この宿題、何のために出したんだっけ
- 3 ページ目 サチ:ぎこちない。……でも、この子の言葉だ サチ:うまいか、へたか。AIか、そうじゃないか。じゃなくて サチ:わたしが見たかったのは、これだ
- 4 ページ目 サチ:作文を出す前に、先に言っておくね サチ:AIを使ったら、使ったところに線を引いて出して。罰にはしないよ 男の子:先生、AIを使ったら、ズルですか? サチ:この作文で何を身につけたいか、で決まるの。先生も、まだ考え中。みんなは?
漫画の人物と出来事は、架空のものです。
授業は、小学校高学年・中学校・高校の 3 学年で、同じ 4 つの問いを扱う。「AI を使うのはズル?」「頼み方で、答えは変わる」「本物はどっち?」「友だちの写真を、AI で加工して送る前に」。学年ごとに、時間の長さと決め方の道具が違う。学習指導要領との対応は、学年ごとに書く。
教室で映して使えるクイズは、第 6 回の親子のページにある。「大きな画面で遊ぶ」で全画面にして、みんなで 8 問、遊べる。
小学校高学年(5・6年)
AI を使うのは、ズル? 自分で決める 1 時間
改変・商用も自由
- ねらい
- AI を使っていいかを「何を身につけたいか・ルール・そのまま言えるか」で自分で決める。言葉にして伝えるたのみ方を試す。AI で作った画像や声は見分けられないことがあるので、止まって、ちがう方法でたしかめ、合言葉を決める。友だちの写真を AI で加工して送る前に、止まれる場面を知る
- 学習指導要領
- 総則の情報活用能力(情報モラル)。道徳(A 自律・自由と責任、B 親切・思いやり/友情・信頼、C 規則の尊重)、国語(話すこと・聞くこと)、学級活動 (2) イ・ウと関連
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- PowerPointスライド(台本つき)2.8 MB
- PDFスライド3.2 MB
- PDFワークシート188 KB
- PowerPointワークシート(直す用)47 KB
- PDF指導の流れ2.2 MB
- Word指導の流れ(直す用)19 KB
中学校
AI を使うのは、ズル? 決め方を持つ 1 時間
改変・商用も自由
- ねらい
- AI を使ってよいかを「目的・ルール・正直さ」で判断し、頼み方を言葉にする力として試す。AI 生成物は見分けられないことがあるので、出どころと別の道で確かめ、取り決めを持つ。友だちの写真の加工が、いじめや犯罪になりうること、止められる場面を理解して、自分の行動を選ぶ
- 学習指導要領
- 技術・家庭(技術分野)D(1)ア・D(4)イ、D の内容の取扱い(4)ア。道徳(自律・自由と責任、遵法精神)、学級活動 (2)ア、国語(情報と情報との関係)と関連
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高等学校(情報Ⅰ)
AI の使い方を、自分で設計する 1 時間
改変・商用も自由
- ねらい
- 課題ごとに AI を使ってよいかを「目的・ルール・開示」で判断し、頼むことを要件として言葉にする。AI 生成物は見た目で決められないので、出どころ・独立した情報源・事前の取り決めで確かめる。他人の写真の加工の責任を、段階ごと(作る・共有する・広める・依頼する・見ていた)に説明し、止める行動を選ぶ
- 学習指導要領
- 情報Ⅰ (1) ア(ア)(イ)(ウ)・イ(ア)(イ)(ウ)、(2) イ(イ)(関連)
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- PDFワークシート189 KB
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- Word指導の流れ(直す用)18 KB
授業の進め方(指導の流れ)
スライドの 1 枚ごとに、何を話し、何を問いかけ、どこで考えさせるかをまとめた、先生のための手引きです。ねらいと学習指導要領との関わり、時間配分と短縮版、授業の前日に確かめること、よく出る質問と答え、たとえと言い方の注意、ワークシートの答えの例と評価の目安、使った事実と出典まで入っています。
このページで読むか、PDF(そのまま印刷)か Word(学校の様式に合わせて直す)で落としてください。スライドのノートにも、同じ流れの台本が入っています。
小学校高学年(5・6年)・45 分(2 時間に分ける案、テーマ 1 つだけ 15 分の短縮版あり)
AI を使うのは、ズル? 自分で決める 1 時間
スライド:first-graders-elementary.pptx(17 枚、ノートに台本)/first-graders-elementary.pdf ワークシート:worksheet-elementary.pdf(A4・おもてうら 2 まい。直すときは worksheet-elementary.pptx) 出典:Data is CITY(teleport.jp/dataiscity/)、CC BY 4.0。特集「みんな、生成 AI 時代の 1 年生」の授業のセット(08)
ねらい
- AI を使っていいかどうかは、「使ったか」ではなく、「何を身につけたいか」「ルール」「そのまま言えるか」で自分で決められる。
- 自分のやりたいことを言葉にして伝えると、AI(にも人にも)伝わりやすいことが分かる。
- AI で作った画像や声は、見ただけでは本物と見分けられないことがある。そのときは「止まる・ちがう方法でたしかめる・合言葉」を使う。
- 友だちの写真を AI で加工して送ることが、相手をきずつけること、止まれる場面があることに気づく。
AI を子どもが 1 人で使う前提ではない(サービスには年齢の決まりや、保護者の同意の決まりがある。国の指針も、小学校段階の児童が直接使うことは「より慎重な見極めが必要」としている)。「大人といっしょに使ったら」「友だちが使ったら」「作られたものが自分に届いたら」で考える。AI や IT に興味のない子は、使わない方向に進んでよい。
学習指導要領との関わり(平成29年告示。本文で確かめた)
| 教科・領域 | 当たる所(本文) | この授業での扱い |
|---|---|---|
| 総則 第1章 第2の2(1) | 「言語能力、情報活用能力(情報モラルを含む。)、問題発見・解決能力等の学習の基盤となる資質・能力」を教科等横断的に育成 | 全体 |
| 特別の教科 道徳 第2 A[善悪の判断,自律,自由と責任]〔第5・6学年〕 | 「自由を大切にし,自律的に判断し,責任のある行動をすること。」 | 話 A(ズル?)。自分で判断し、決めたことに責任を持つ |
| 同 B[親切,思いやり]・B[友情,信頼]・C[規則の尊重]〔第5・6学年〕 | 「誰に対しても思いやりの心をもち,相手の立場に立って親切にすること。」/「友達と互いに信頼し,学び合って友情を深め…」/「法やきまりの意義を理解した上で進んでそれらを守り,自他の権利を大切にし,義務を果たすこと。」 | 話 D(友だちの写真)。相手の立場、自他の権利 |
| 同 第3の2(6) | 「第2に示す内容との関連を踏まえつつ,情報モラルに関する指導を充実すること。」 | 道徳の時間として行うなら、内容項目に沿って主題を立て直す(この 1 時間を道徳の時数に数えるかは学校で決める) |
| 国語 第5学年及び第6学年 〔思考力,判断力,表現力等〕A 話すこと・聞くこと (1)ア | 「目的や意図に応じて,日常生活の中から話題を決め,集めた材料を分類したり関係付けたりして,伝え合う内容を検討すること。」 | 話 B(たのみ方)。目的を言葉にして伝える(関連) |
| 特別活動 学級活動 (2)ウ | 「心身ともに健康で安全な生活態度の形成」:「事件や事故,災害等から身を守り安全に行動すること。」 | 話 C(本物はどっち?)。詐欺などから身を守る(関連) |
| 同 (2)イ | 「よりよい人間関係の形成」:「互いのよさを見付け,違いを尊重し合い,仲よくしたり信頼し合ったりして生活すること。」 | 話 D(関連) |
情報モラル指導モデルカリキュラム(「教育の情報化に関する手引」追補版)の「安全への知恵」「情報セキュリティ」「公共的なネットワーク社会の構築」のあたりに当たる。次期学習指導要領は審議中。告示が出たら対応表を見直す。
評価の観点(目安)
- 知識・技能:AI の出力をそのまま出すことが「よくない例」にあたること、見分けられないことがあること、確かめ方を言える。
- 思考・判断・表現:ワークシート問1(場面を 1 つ選び、身につけたいことと決め手を書く)、問3(たしかめ方を 1 文)、問4(断り方を自分の言葉で)。
- 主体的に学習に取り組む態度:問5(家で話す)。「やりたい人だけ」。書かなくても評価を下げない。
ことば・言い方の決まり
- 「頼み方」は「たのみ方」、「疑う」は「うたがう」、「誘う」は「さそう」と書く(習っていない字をひらがなにした)。「合言葉」は読みがなを添えてよい。
- 「ズル」は特集の問いの言葉。スライドでは「ズル?」のまま使うが、「悪いこと」と決めつけない。
- 「AI は、聞き返さないことがある」。聞き返す AI もあるので、「ことがある」と言う。
- 「見分けられない」は「だまされた」と言わない。「人の目では、むずかしい」。
- 「1 年生」(特集名)は、子どもが学年と間違えるので授業では使わず、「まだ勉強中」と言う。
- 書かないこと:具体的なアプリ名、加工の手順、性的な加工の内容(「はずかしい姿やきずつく姿に変える加工」まで)。
時間配分(45 分)
話は 4 つ。必ずやる所(太字)と、時間がなければ飛ばす所を決めてある。
| 時間 | スライド | 活動 | 問い |
|---|---|---|---|
| 0〜3 | 1〜2 | 導入:今日の 4 つ。「AI を使わない人にも、全部関係がある」 | AI のことで「どうなんだろう」と思っていること(なければ、なくてよい) |
| 3〜13 | 3・4・5 | A ズル?:6 つの場面を指で出す(5 分)→ 3 つの問い(3 分)→ 表で見直す(2 分。時間がなければ飛ばす) | 主な問い①「この 6 つ、ズル?」 |
| 13〜22 | 6・7・8 | B たのみ方:ペアで言葉だけで絵をかく(6 分)→ AI に頼んだ 3 まいの絵(2 分)→ コツ(1 分) | 「言葉を足すと、どう変わった?」 |
| 22〜35 | 9・10・11・12・13 | C 本物はどっち?:2 まいの写真(2 分)→ 答えと研究(2 分)→ コツは古くなる(1 分)→ 止まる・ちがう方法・合言葉(2 分)→ 場面カード(3 分。発表は 1〜2 グループ) | 主な問い②「どっちが本物? 自信は?」 |
| 35〜41 | 14・15・16 | D 友だちの写真:さそわれた場面(4 分)→ 作るのは数秒(2 分)→ 止まれる場面(3 分) | 主な問い③「その友だちは、どんな気持ち?」 |
| 41〜43 | 17 | まとめ:今夜、家で 1 つ(やりたい人だけ) | ― |
| 43〜45 | ― | 余裕(配布・移動・質問)。S5 を飛ばせば 4 分になる | ― |
おすすめは、2 時間に分けること:1 時間目=1〜8(A ズル? + B たのみ方)、2 時間目=9〜17(C + D)。友だちの写真は、終盤の疲れた時間に急がず、10 分とれる。1 時間で行うときは、14〜16 の 9 分を削らない。
テーマ 1 つだけの短縮版(15〜20 分。朝の会・学級活動)
| テーマ | スライド | 分 |
|---|---|---|
| A ズル? | 2〜4 | 15 |
| B たのみ方 | 6〜8 | 15(絵をかく活動は 2 回目まで) |
| C 本物はどっち? | 9〜12 | 15 |
| D 友だちの写真 | 14〜16 | 15 |
授業の前に確かめること(とくに D)
- 養護教諭・学年主任・管理職に、「友だちの写真」の話をすることを伝える。 学年・学校で、実際に写真を使われた事案がないか確かめる。あれば、D の内容を変えるか、見合わせる。
- 授業の冒頭に、「しんどくなったら先生に合図して、休んでいい」と伝える。
- 子どもが「ぼくがされた」と言ったら、その場で聞き出さず、休み時間に 1 対 1 で聞く。
- 先生は、画像を保存・転送しない(性的な画像だった場合、所持・転送が問題になりうる)。学校の対応の手順(教育委員会・警察との連携)に従う。
- 学校のタブレットで AI を使わせる場合は、サービスの年齢制限・約款、教育委員会の方針、保護者への説明が先(国の指針)。この授業は、AI を使わせる授業ではない。
- 家庭の事情:「家の人」は、保護者に限らない(祖父母・施設の職員・身近な大人)。家の人に頼れない子には、「先生に聞く」でよい。
- ワークシートは、問4 を回収しない(子どもが自分のことを書きにくくなるため)。
よく出る質問と答え
- 「先生は AI を使ってる?」→ 使う人は使う。大事なのは、何のために、どう使うか。使うときは、使ったことを言う。
- 「どっちも AI なんて、ずるい」→ 本物が入っているとは言っていない。「どちらも AI」を選択肢に入れてあった。見分けられなくて当たり前だと知ってほしかった。
- 「合言葉を忘れたら?」→ 忘れたら、ほかの方法でたしかめる(かけ直す、会って聞く)。合言葉だけに頼らない。
- 「合言葉は何にしたらいい?」→ 短くて、他の人が当てにくいもの。誕生日やペットの名前はさける。書かない。たまに変える。
- 「グループで変な加工を見た」→ 消さない・送らない。先生か家の人に、そのまま見せる。
- 「AI を使ってもいいの?」→ 家のルール、学校のルール、サービスの年齢の決まりがある。使う前に、決まりを確かめる。
ワークシート(worksheet-elementary.pdf)の見方
- 問1:6 つの場面の「はじめ」と「あと」を指の数(1=ズル 2=まよう 3=ズルじゃない)で書く。場面を 1 つ選び、身につけたいことと決め手(□ 身につけたいこと/ルール/そのまま言えるか)に✓。変わらなくてもよい。
- 問2:ペアの絵 3 まい(1 回目・2 回目・3 回目)と、気づいたこと。
- 問3:写真 A・B(どれ?)と自信 1〜5、班の場面のたしかめ方を 1 文。答えの例:電話→前から知っている番号にかけ直す/メッセージ→会ったときに聞く、家の人に見せる/SNS→もとの投稿をさがす、ほかのニュースにもあるか見る、広める前に大人に。
- 問4:さそわれたときの断り方(回収しない)。例:「それ、本人に聞いてからにしよう」「送るのは、なし」「先生に聞いてみよう」。
- 問5:今夜、家で話すこと(やりたい人だけ)。合言葉は書かない。
スライドの台本について
各スライドのノート(台本)に、【時間】【話すこと】【主な問い】【予想される答え】【言い方の注意】【補足(先生向け)】【配慮】【つなぎ】がある。「話すこと」は、そのまま読んでもよい。
使った事実と出典
| 事実・数字 | 出典 |
|---|---|
| 生成 AI の出力をほぼそのまま自分の成果物として提出するのは不適切な例。使うときは、サービス名・入力した言葉・日付を明記する引用ルールが考えられる。小学校段階の児童が直接使うことは、より慎重な見極めが必要。年齢制限などの約款を確かめる。 | 文部科学省「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン」Ver.2.0(令和6年12月26日)https://www.mext.go.jp/content/20241226-mxt_shuukyo02-000030823_001.pdf (Box-5・Box-6、p.17〜20) |
| AI が作った顔と本物の顔を人が当てた割合は約 48%(二択)。コツを教えた別のグループで約 59%(実験 2)。AI の顔のほうが信頼できそうと評価された。 | Nightingale, S. J. & Farid, H. “AI-synthesized faces are indistinguishable from real faces and more trustworthy”, PNAS 119(8), 2022. doi:10.1073/pnas.2120481119(https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8872790 ) |
| 実在の児童生徒の画像を生成 AI で性的な画像に加工する「性的ディープフェイク」が社会的な問題。児童生徒が加害者になる事案も多数。学校行事や卒業アルバムの画像も使われる。令和7年中に警察が取り扱った事案(生成 AI などを悪用した 18 歳未満の性的画像。相談・被害申告時に 20 歳未満)は 114 件、被害の約 9 割が中高生(小学生の被害もある)、約 6 割が同級生・同じ学校の者の中で行われた(警察庁、令和8年2月26日公表)。 | 文部科学省 事務連絡「性的ディープフェイクによる児童生徒の被害・加害防止のための広報啓発資料の活用等について(依頼)」(令和8年3月12日)https://www.mext.go.jp/content/20260409-mxt_kyousei01-000047289_4.pdf |
| 「そのAIの使い方、犯罪かも…」。相談先:子供 SOS ダイヤル 0120-0-78310(24 時間。かけた所の教育委員会の窓口につながる)、警察相談専用電話 #9110、性犯罪被害相談電話 #8103(ハートさん) | 警察庁・内閣府・こども家庭庁・文部科学省の啓発チラシ(上の事務連絡の参考資料 2) |
| 同級生の写真を軽い気持ちで加工して見せびらかす行為は重大な人権侵害。名誉毀損罪・侮辱罪、肖像権・プライバシー侵害にあたる可能性。わいせつ物頒布罪が適用されれば 2 年以下の懲役もしくは 250 万円以下の罰金など。 | 総務省「上手にネットと付き合おう!」「あなたの卒アル写真が狙われる?!生成AIによる画像被害とは」https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/trouble/reference/reference09.html |
画は GPT Images(gpt-image-2.5-sunburst)で作った。指示文は build/prompts/。人の絵は架空。写真のような画(ねこ・手)に実在の人の顔はない。
中学校・50 分(2 コマに分ける案、テーマ 1 つだけ 15〜20 分の短縮版あり)
AI を使うのは、ズル? 決め方を持つ 1 時間
スライド:first-graders-junior-high.pptx(17 枚、ノートに台本)/first-graders-junior-high.pdf ワークシート:worksheet-junior-high.pdf(A4・おもてうら 2 まい。直すときは .pptx) 出典:Data is CITY(teleport.jp/dataiscity/)、CC BY 4.0。特集「みんな、生成 AI 時代の 1 年生」の授業のセット(08)
ねらい
- AI を使ってよいかを、「目的(何を身につけたいか)・ルール・正直さ(そのまま言えるか)」で自分で判断し、説明できる。
- 頼みたいことを言葉にして伝えること(目的と読み手・条件と材料・違いを言葉に)が、AI を使う力になることが分かる。
- AI で作った画像・声・文は見分けられないことがあり、そのときは出どころと別の道で確かめ、合言葉などの取り決めが役に立つことが分かる。
- 友だちの写真を AI で加工して送る行為が、いじめや犯罪になりうること、止められる場面があることを理解し、自分の行動を選べる。
技術・家庭(技術分野)の授業として行う。道徳・学級活動は「関連」。AI を使う・使わないは、生徒が選べる。
学習指導要領との関わり(平成29年告示。本文で確かめた)
| 区分 | 当たる所(本文) | この授業での扱い |
|---|---|---|
| 総則 第1章 第2の2(1) | 「言語能力、情報活用能力(情報モラルを含む。)、問題発見・解決能力等の学習の基盤となる資質・能力」 | 全体 |
| 技術分野 内容 D(1)ア | 「…情報のデジタル化や処理の自動化,システム化,情報セキュリティ等に関わる基礎的な技術の仕組み及び情報モラルの必要性について理解すること。」 | 話 C・D |
| 同 3 内容の取扱い (4)ア(D 情報の技術) | 「…著作権を含めた知的財産権,発信した情報に対する責任,及び社会におけるサイバーセキュリティが重要であることについても扱うこと。」 | 話 D(発信した情報に対する責任)・C |
| 同 内容 D(4)イ | 「技術を評価し,適切な選択と管理・運用の在り方や,新たな発想に基づく改良と応用について考えること。」 | 話 A(AI の使い方を選ぶ) |
| 道徳 第2 A[自主,自律,自由と責任] | 「自律の精神を重んじ,自主的に考え,判断し,誠実に実行してその結果に責任をもつこと。」 | 話 A |
| 同 B[友情,信頼]・B[相互理解,寛容]・C[遵法精神,公徳心] | 「…互いに励まし合い,高め合う…」/「…それぞれの個性や立場を尊重し,いろいろなものの見方や考え方があることを理解し,寛容の心をもって…」/「法やきまりの意義を理解し,それらを進んで守るとともに,そのよりよい在り方について考え,自他の権利を大切にし,義務を果たして,規律ある安定した社会の実現に努めること。」 | 話 D(関連) |
| 同 第3の2(6) | 「第2に示す内容との関連を踏まえつつ,情報モラルに関する指導を充実すること。」 | 道徳の時数に数えるなら、主題を立て直す |
| 国語 第1学年〔知識及び技能〕(2)ア | 「原因と結果,意見と根拠など情報と情報との関係について理解すること。」 | 話 B・C(根拠を持って確かめる)(関連) |
| 特別活動 学級活動 (2)ア | 「自他の個性の理解と尊重,よりよい人間関係の形成」:「自他の個性を理解して尊重し,互いのよさや可能性を発揮しながらよりよい集団生活をつくること。」 | 話 D(関連) |
| 美術 3(7) | 「…必要に応じて,美術に関する知的財産権や肖像権などについて触れるようにすること。」 | 肖像権(関連) |
次期学習指導要領は審議中。告示が出たら対応表を見直す。
評価の観点(目安)
- 知識・技能:AI の出力をそのまま出すのが不適切な例であること、見分けられないことがあること、確かめ方(出どころ・別の道・取り決め)、写真の加工が名誉毀損・肖像権・(性的な画像は)犯罪になりうることを説明できる。
- 思考・判断・表現:問1(場面の判断を、目的・ルール・正直さで説明)、問3(確かめ方を 2 つ)、問4(3 つの立場から、できること)。
- 主体的に学習に取り組む態度:問5(家で話す、考えが変わったこと。変わらなければ、そう書く)。
ことばの決まり
- 「ズル」は特集の問いの言葉。使うが、「悪い・正しい」を先生が決める授業ではない。
- 「頼み方」「確かめる」「出どころ」を使う。「見分ける」は「見た目で決める」の意味で使い、「確かめる」と分ける。
- 「聞き返さずにすぐ作る AI もある」(聞き返す AI もある)。「言葉にしにくい所は、まだ自分の中で決まっていない所かもしれない」(断定しない)。
- 数字は「警察が取り扱った事案の数」で、起きた総数ではない。「令和 7 年」「警察庁の公表」と出典を言う。
- 罪名は、「総務省の啓発資料にある」と出典を言う。18 歳未満の性的な画像は、児童ポルノ関連の法律にも関わる(罪名の細部は、授業の前に警察庁・法務省の資料で確かめる)。
- 書かないこと:具体的なアプリ名・検索語、加工の手順、性的な加工の内容(文部科学省の資料の言い方「服を脱がせるなどの加工」を超えない)。
時間配分(50 分。出欠・配布の 2 分を含む)
| 時間 | スライド | 活動 | 問い |
|---|---|---|---|
| 0〜3 | 1〜2 | 出欠・配布。今日の 4 つ。冒頭で「しんどくなったら合図して、保健室に行ってよい」 | ― |
| 3〜12 | 3・4・5 | A ズル?:6 つの場面を指で出す(4 分。目を閉じて出してもよい)→ 3 つの問い(3 分)→ 割れた 2 つだけ見直す(2 分) | 主な問い①「どこで線を引いた?」 |
| 12〜20 | 6・7・8 | B 頼み方:ペアで言葉だけで絵をかく(5 分)→ AI に頼んだ 3 枚(2 分)→ コツ(1 分) | 「言葉を足すと、どう変わった? AI は聞き返す?」 |
| 20〜30 | 9・10・11・12・13 | C 本物はどっち?:2 枚(2 分)→ 答えと研究(2 分)→ コツは古くなる(1 分)→ 確かめ方 3 つ(2 分)→ 班の場面カード(3 分) | 主な問い②「自信は? 確かめるには?」 |
| 30〜41 | 14・15・16 | D 友だちの写真:ペアで話す(4 分)→ 事実と法(3 分)→ 3 つの立場(4 分。書く 2 分) | 主な問い③「作った人・笑った人・見ていた人は、何をした?」 |
| 41〜43 | 17 | まとめ:家で話す 1 つ(やりたい人だけ) | ― |
| 43〜50 | ― | 余裕(移動・発表・質問)。D に +5 分を足すとよい | ― |
おすすめは 2 コマ:1 コマ目=1〜8(A + B)、2 コマ目=9〜17(C + D)。1 コマで行うときは、14〜16(11 分)を削らない。
テーマ 1 つだけの短縮版(15〜20 分):A=2〜5、B=6〜8、C=9〜13、D=14〜16。
授業の前に確かめること
- 養護教諭・スクールカウンセラー・学年主任・管理職に、「友だちの写真」の話をすることを伝える。 学年・学校で、実際の事案がないか確かめる。あれば、D の内容を変えるか、見合わせる。
- 冒頭の予告:「しんどくなったら合図して、保健室に行ってよい。後で先生に言ってもよい」。授業後に声をかける時間をとる。
- 生徒が「自分がされた」と言ったら、その場で聞き出さず、授業後に 1 対 1。「見ていた人」を吊し上げる進行にしない。
- 先生は、画像を保存・転送しない。 生徒に「画面を保存して送って」と言わない。画面は消さず、そのまま見せてもらう。学校の対応手順(教育委員会・警察との連携)に従う。
- 指で出す(スライド 3・9)は、見られたくない生徒がいる。目を閉じる・机に伏せる・1 人 1 台の端末の無記名フォームで集計、のどれかにしてよい。
- 学校の端末で AI を使わせる場合は、国の指針に従う(年齢制限・約款の確認、保護者への説明、教師の指導のもと)。この授業は、AI を使わせる授業ではない。
- 問4 は回収しない・見せ合わない。問5 は「変わらなかった」でもよい。家庭への宿題は、やりたい人だけ。「家の人」は保護者に限らない。
よく出る質問と答え
- 「14 歳未満なら、何をしても大丈夫?」→ 刑罰にならなくても、警察や児童相談所が関わり、被害を受けた人への賠償を家の人が求められることがある。何より、相手の傷は変わらない。(一般的な説明。個別の事案は学校・警察・弁護士に確認する)
- 「変顔の加工も犯罪?」→ 性的でなくても、相手が傷つけば、いじめや名誉毀損・侮辱にあたりうる。性的な加工は、さらに重い。まず、本人がいやがるかどうか。
- 「どちらも AI なんて、ひっかけ」→ 本物が入っているとは言っていない。「どちらも AI」を選択肢に入れてあった。見分けられなくて当たり前だと、体験してほしかった。
- 「コツは、結局ないの?」→ 見た目のコツは、すぐ古くなる。確かめる手順(止まる・出どころ・別の道・取り決め)が長持ちする。画像検索のやり方を見せてもよい。
- 「先生に言うのは告げ口」→ 先生以外にも、相談窓口(子供 SOS ダイヤル 0120-0-78310 など)がある。止める言葉を言う、スタンプを押さない、広めない、でも止められる。
- 「AI を使ったことを、先生に言いたくない」→ 隠したくなったら、使い方を見直すサイン。使う前に「この課題で、使っていい?」と聞けば、あとで困らない。
ワークシートの見方
- 問1:指の数(はじめ・あと)と、AI を使ったと先生に伝える文(サービス名・入れた言葉・日付)。
- 問2:ペアの絵 3 枚と、頼み方で変えたこと・気づいたこと。
- 問3:写真 A・B の選択と自信、班の場面の確かめ方 2 つ(出どころ・別の道・合言葉から)。
- 問4:された側・作った・送った側・笑った・見ていた側。それぞれ、困ること・自分にできること(回収しない)。
- 問5:家で話すこと(やりたい人だけ)と、今日いちばん考えが変わったこと。
使った事実と出典
| 事実・数字 | 出典 |
|---|---|
| 生成 AI の出力をほぼそのまま自分の成果物として提出するのは不適切な例。使うときは、サービス名・入力した言葉・日付を明記する引用ルールが考えられる。小学校段階の児童が直接使うことは、より慎重な見極めが必要。年齢制限などの約款を確かめる。 | 文部科学省「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン」Ver.2.0(令和6年12月26日)https://www.mext.go.jp/content/20241226-mxt_shuukyo02-000030823_001.pdf (Box-5・Box-6、p.17〜20) |
| AI が作った顔と本物の顔を人が当てた割合は約 48%(二択)。コツを教えた別のグループで約 59%(実験 2)。AI の顔のほうが信頼できそうと評価された。 | Nightingale, S. J. & Farid, H. “AI-synthesized faces are indistinguishable from real faces and more trustworthy”, PNAS 119(8), 2022. doi:10.1073/pnas.2120481119(https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8872790 ) |
| 実在の児童生徒の画像を生成 AI で性的な画像に加工する「性的ディープフェイク」が社会的な問題。児童生徒が加害者になる事案も多数。学校行事や卒業アルバムの画像も使われる。令和7年中に警察が取り扱った事案(生成 AI などを悪用した 18 歳未満の性的画像。相談・被害申告時に 20 歳未満)は 114 件、被害の約 9 割が中高生(小学生の被害もある)、約 6 割が同級生・同じ学校の者の中で行われた(警察庁、令和8年2月26日公表)。 | 文部科学省 事務連絡「性的ディープフェイクによる児童生徒の被害・加害防止のための広報啓発資料の活用等について(依頼)」(令和8年3月12日)https://www.mext.go.jp/content/20260409-mxt_kyousei01-000047289_4.pdf |
| 「そのAIの使い方、犯罪かも…」。相談先:子供 SOS ダイヤル 0120-0-78310(24 時間。かけた所の教育委員会の窓口につながる)、警察相談専用電話 #9110、性犯罪被害相談電話 #8103(ハートさん) | 警察庁・内閣府・こども家庭庁・文部科学省の啓発チラシ(上の事務連絡の参考資料 2) |
| 同級生の写真を軽い気持ちで加工して見せびらかす行為は重大な人権侵害。名誉毀損罪・侮辱罪、肖像権・プライバシー侵害にあたる可能性。わいせつ物頒布罪が適用されれば 2 年以下の懲役もしくは 250 万円以下の罰金など。 | 総務省「上手にネットと付き合おう!」「あなたの卒アル写真が狙われる?!生成AIによる画像被害とは」https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/trouble/reference/reference09.html |
画は GPT Images(gpt-image-2.5-sunburst)で作った。指示文は build/prompts/。人の絵は架空。
高等学校(情報Ⅰ)・50 分(2 コマに分ける案あり)
AI の使い方を、自分で設計する 1 時間
スライド:first-graders-high.pptx(本編 17 枚+付録 2 枚、ノートに台本)/first-graders-high.pdf ワークシート:worksheet-high.pdf(A4・おもてうら 2 まい。直すときは .pptx) 出典:Data is CITY(teleport.jp/dataiscity/)、CC BY 4.0。特集「みんな、生成 AI 時代の 1 年生」の授業のセット(08)
ねらい(評価の観点ごと)
- 知識・技能:AI の使い方に線を引く軸(目的・ルール・開示)、AI 生成物は見分けられないことがあること(研究の数値と限界)、確かめ方(出どころ・独立した情報源・事前の取り決め)、他人の写真の加工に関する責任と法的リスクを、根拠をもって説明できる。
- 思考・判断・表現:課題ごとに AI を使ってよいかを軸で判断し、頼むことを要件として言葉にし、場面ごとに確かめ方を選び、写真の加工の各段階で止められる行動を考察する。
- 主体的に学習に取り組む態度:情報社会の一員として、自分の使い方と、他者への責任を決めようとしている。
学習指導要領との関わり(平成30年告示。情報Ⅰ。本文で確かめた)
| 科目・項目 | 当たる所(本文) | この授業での扱い |
|---|---|---|
| 総則 第2款 2(1) | 「言語能力,情報活用能力(情報モラルを含む。),問題発見・解決能力等の学習の基盤となる資質・能力」 | 全体 |
| 情報Ⅰ 2 内容 (1) ア(ア) | 「情報やメディアの特性を踏まえ,情報と情報技術を活用して問題を発見・解決する方法を身に付けること。」 | 話 B・C(頼み方、確かめ方) |
| 同 (1) ア(イ) | 「情報に関する法規や制度,情報セキュリティの重要性,情報社会における個人の責任及び情報モラルについて理解すること。」 | 話 A・D(開示、責任、法) |
| 同 (1) ア(ウ) | 「情報技術が人や社会に果たす役割と及ぼす影響について理解すること。」 | 全体(画像・声の生成が信頼に及ぼす影響) |
| 同 (1) イ(ア) | 「目的や状況に応じて,情報と情報技術を適切かつ効果的に活用して問題を発見・解決する方法について考えること。」 | 話 B |
| 同 (1) イ(イ) | 「情報に関する法規や制度及びマナーの意義,情報社会において個人の果たす役割や責任,情報モラルなどについて,それらの背景を科学的に捉え,考察すること。」 | 話 A・D(責任の段階表) |
| 同 (1) イ(ウ) | 「情報と情報技術の適切かつ効果的な活用と望ましい情報社会の構築について考察すること。」 | まとめ |
| 同 (2) イ(イ)(関連) | 「コミュニケーションの目的を明確にして,適切かつ効果的な情報デザインを考えること。」 | 話 B。プロンプトは要件定義に近い、という類比(学習指導要領の趣旨とは別。「関連」) |
主軸は (1) 情報社会の問題解決。(2) は類比で触れるだけで、授業の主題ではない。スライド 10 の確率(50% は二択の偶然の水準)は、(4) データの活用と結びつけて扱える(本編では深追いしない)。 「公共」(情報化と社会)、「総合的な探究の時間」にも広げられる。次期学習指導要領は審議中。告示が出たら対応表を見直す。
ことばの決まり
- 「ズル」は特集の問いの言葉。授業では、「線を引く」「設計する」と言い換えながら使う。
- 「独立した情報源」=同じ元ネタを引用しただけではない、別の経路で確認できる情報源。「確かめるコスト」=確かめるのにかかる手間と時間。「要件」=頼むことの目的・条件。「差分」=出てきたものと、ほしいものの違い。スライドに出る所で一言添える。
- 「聞き返さずに作る AI もある(聞き返す AI もある)」。「言葉にしにくい所は、まだ自分の中で決まっていない所かもしれない」(AI と話しながら考えを決める使い方もある、と認める)。
- 数字は「警察が取り扱った事案の数」で、起きた総数ではない。出典(文部科学省の事務連絡・警察庁の公表)を言う。
- 刑事責任:14 歳以上は問われうる(刑法 41 条は 14 歳未満を罰しない)。個別の事案は学校・警察・弁護士に確認する。罪名の細部は、授業の前に警察庁・法務省の資料で確かめる。
- 書かないこと:具体的なアプリ名・検索語、加工の手順、性的な加工の内容。
時間配分(50 分。出欠・配布の 2 分を含む)
| 時間 | スライド | 活動 | 問い |
|---|---|---|---|
| 0〜3 | 1〜2 | 出欠・配布。今日の 4 つ。冒頭で「しんどくなったら合図して、出てよい」 | ― |
| 3〜12 | 3・4・5 | A ズル?:6 つの場面(無記名の挙手か端末フォーム)→ 3 つの軸(4 分)→ 割れた 2 つだけ見直す(2 分)。軸を足させる | 主な問い①「どこで線を引いた? 足したい軸は?」 |
| 12〜20 | 6・7・8 | B 頼み方:ペアで要件を埋めて絵をかく(5 分)→ 3 枚(2 分)→ 要件の書き方(1 分) | 「言葉にしにくかった所は?」 |
| 20〜30 | 9・10・11・12・13 | C 本物はどっち?:2 枚(2 分)→ 研究(2 分)→ 見た目のコツは古い(1 分)→ 手順で作る信頼(2 分)→ 班の場面カード(3 分。ワークシートの表) | 主な問い②「自信は? 見た目以外の何で?」 |
| 30〜41 | 14・15・16 | D 友だちの写真:ペアで 2 分(4 分)→ 事実と法(3 分)→ 責任の段階表(4 分。左 2 列を先に書く) | 主な問い③「見ていただけと加担の線は?」 |
| 41〜43 | 17 | まとめ | ― |
| 43〜50 | ― | 余裕(移動・発表・質問)。D に +5 分を足すとよい | ― |
| (付録) | 18・19 | コンテンツ認証、出典。授業では扱わない。質問が出たときに | ― |
おすすめは 2 コマ:1 コマ目=1〜8、2 コマ目=9〜17。1 コマで行うときは、14〜16 の 11 分を削らない。
授業の前に確かめること
- 養護教諭・スクールカウンセラー・学年主任・管理職に、「友だちの写真」の話をすることを伝える。 実際の事案があれば、D の内容を変えるか、見合わせる。冒頭の予告と、授業後に声をかける時間を用意する。
- 先生は、画像を保存・転送しない。 「画面を保存して」とは言わず、「消す前に日時・アプリ名・アカウント名をメモして、画面をそのまま見せて」と言う。学校の対応手順に従う。
- 進学・就職の場面(出願書類・小論文・面接・企業の応募)での AI の扱いは、学校・企業ごとに決まりがある。募集要項を確かめる、と添える。
- 範囲:生徒の AI 利用の実態は差が大きい。使っている生徒を悪者にしない。使わない選択も尊重する。
- 問4 は回収しない。問5 の振り返りは「変わらなかった」でもよい。家庭への宿題はやりたい人だけ。「家の人」は保護者に限らない。
- スライド 11・18 の C2PA(コンテンツ認証)は、仕様・対応状況が変わる。授業の前に https://c2pa.org/ で確かめる。
生徒に出させたい論点と、出たときの答え
- 軸の足し方(スライド 4):他人のデータ(友だちの写真・他人の文章)を AI に入れていないか/自分が説明できるか/有料版を使える人と使えない人の差。全部、足してよい軸。
- 「壁打ちで考えを決める使い方も、考える作業では?」→ そのとおり。丸投げ(考えることを渡す)と、AI と話して自分が決める使い方は別。問いを立て、採るか採らないかを決めるのは自分に残る。
- 「コツを教えたら 48→59% なら、コツは効いたのでは?」→ 少しは上がる(偶然+約 9 ポイント)。ただし、人の目だけに頼るには危ない水準で、次のモデルでは効かなくなる。
- 「合言葉を聞く余裕は、慌てているときにない」→ そのとおり。だから、まず「止まる」(急がされる話ほど保留する)が先に来る。友だち・部活では、無理に使わなくてよい。
- 「先生に言うのは告げ口」→ 先生以外の相談窓口もある。笑わない・スタンプを押さない・広めない、も止める行動。
ワークシートの見方
- 問1:指の数(はじめ・あと)と、自分の AI の使い方のルール(目的・ルール・開示で 2 行。書きたくなければ空欄でよい)。
- 問2:要件の表(目的・読み手・条件・できの基準)と、ペアの絵 3 枚、言葉にしにくかった所。
- 問3:写真 A・B と自信、班の場面の表(主張・出どころ・独立した情報源・結論と次にすること)。結論は「本物/偽」ではなく、「確かめた/確かめられなかった→保留」の形でよい。
- 問4:段階(作る・共有する・広める保存する・依頼する見ていた)ごとに、止められる人と方法(回収しない)。
- 問5:振り返り 200 字(授業の前と後で変わったこと。変わらなかったら、そう書く)。宿題でよい。
使った事実と出典
| 事実・数字 | 出典 |
|---|---|
| 生成 AI の出力をほぼそのまま自分の成果物として提出するのは不適切な例。使うときは、サービス名・入力した言葉・日付を明記する引用ルールが考えられる。小学校段階の児童が直接使うことは、より慎重な見極めが必要。年齢制限などの約款を確かめる。 | 文部科学省「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン」Ver.2.0(令和6年12月26日)https://www.mext.go.jp/content/20241226-mxt_shuukyo02-000030823_001.pdf (Box-5・Box-6、p.17〜20) |
| AI が作った顔と本物の顔を人が当てた割合は約 48%(二択)。コツを教えた別のグループで約 59%(実験 2)。AI の顔のほうが信頼できそうと評価された。 | Nightingale, S. J. & Farid, H. “AI-synthesized faces are indistinguishable from real faces and more trustworthy”, PNAS 119(8), 2022. doi:10.1073/pnas.2120481119(https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8872790 ) |
| 実在の児童生徒の画像を生成 AI で性的な画像に加工する「性的ディープフェイク」が社会的な問題。児童生徒が加害者になる事案も多数。学校行事や卒業アルバムの画像も使われる。令和7年中に警察が取り扱った事案(生成 AI などを悪用した 18 歳未満の性的画像。相談・被害申告時に 20 歳未満)は 114 件、被害の約 9 割が中高生(小学生の被害もある)、約 6 割が同級生・同じ学校の者の中で行われた(警察庁、令和8年2月26日公表)。 | 文部科学省 事務連絡「性的ディープフェイクによる児童生徒の被害・加害防止のための広報啓発資料の活用等について(依頼)」(令和8年3月12日)https://www.mext.go.jp/content/20260409-mxt_kyousei01-000047289_4.pdf |
| 「そのAIの使い方、犯罪かも…」。相談先:子供 SOS ダイヤル 0120-0-78310(24 時間。かけた所の教育委員会の窓口につながる)、警察相談専用電話 #9110、性犯罪被害相談電話 #8103(ハートさん) | 警察庁・内閣府・こども家庭庁・文部科学省の啓発チラシ(上の事務連絡の参考資料 2) |
| 同級生の写真を軽い気持ちで加工して見せびらかす行為は重大な人権侵害。名誉毀損罪・侮辱罪、肖像権・プライバシー侵害にあたる可能性。わいせつ物頒布罪が適用されれば 2 年以下の懲役もしくは 250 万円以下の罰金など。 | 総務省「上手にネットと付き合おう!」「あなたの卒アル写真が狙われる?!生成AIによる画像被害とは」https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/trouble/reference/reference09.html |
画は GPT Images(gpt-image-2.5-sunburst)で作った。指示文は build/prompts/。人の絵は架空。
使ってよい決まり
この作品は クリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際 ライセンスで提供されています。
出典を書けば、直して使っても、配っても、お金を取る講座で使ってもかまいません。表示のしかたの例:「出典:Data is CITY(teleport.jp/dataiscity/)、CC BY 4.0」。スライドの最後の 1 枚に、この出典が入っています。
スライドの画と図は、自分たちで作ったものです。報道の画面や他社のページの画は使っていません。
数字と出典
スライドの数字・事実は 2026年10月30日時点のものです。使う前に、元の資料が更新されていないかを確かめてください。出典は、スライドの隅と、話す人のメモ・指導の流れにも書いています。
作り方
調べものとスライドづくりには AI を使いました。小学校・中学校・高校の先生の立場で読むレビューを 2 回通して直し、事実は一次情報(PHP の公式の発表、IPA、報道ほか)で確かめています。使った事実と出典は、スライドの隅と、指導の流れの終わりの表にあります。





