特集みんな、生成 AI 時代の 1 年生第 4 回
解説
4 枚の作文が同じ終わり方をした夜、サチ先生は宿題のねらいを見直した
漫画
漫画 ミオと、作文の夜
第 3 話同じ終わりの作文
セリフを文字で読む
- 1 ページ目 サチのモノローグ:三十二枚。あと十枚 サチ:……同じ終わり方 サチ:五年生が、こんな言い方、するかな
- 2 ページ目 久保田:それ、AIだね。最近は多いんだ サチ:見分けられるものですか? 久保田:ツールに通せばいい。分かったら、書き直させればいいんだよ サチ:どちらとも、言えない…… サチ:わたし、この宿題、何のために出したんだっけ
- 3 ページ目 サチ:ぎこちない。……でも、この子の言葉だ サチ:うまいか、へたか。AIか、そうじゃないか。じゃなくて サチ:わたしが見たかったのは、これだ
- 4 ページ目 サチ:作文を出す前に、先に言っておくね サチ:AIを使ったら、使ったところに線を引いて出して。罰にはしないよ 男の子:先生、AIを使ったら、ズルですか? サチ:この作文で何を身につけたいか、で決まるの。先生も、まだ考え中。みんなは?
画像は AI で生成しています
AI の判定ツールにかけても、返ってきたのは「どちらとも言えません」。サチ先生が見直したのは、子どもたちの作文ではなく、自分の出した宿題だった。
01判定できないなら、見るものを変える
AI が書いた文かどうかを、はっきり見分けるのは難しい。うまいかへたかでも、AI かどうかでもなく、サチ先生が見たかったのは、その子の言葉だった。
そこで先生は、自分が宿題の「何のために」を言っていなかったことに気づく。「作文 四百字 木曜まで」と書いた黒板に、ねらいは書いていなかった。
02文部科学省の文書にも、同じ線が引かれている
文部科学省は 2024 年 12 月のガイドラインで、感想文やレポートのような課題について、3 つのことを書いている(文は要約です)。
- 生成 AI の答えをほぼそのまま自分の成果物として出すと、課題によっては不適切・不正になりうるし、何より学びがなく、自分のためにならない。このことは保護者にも知らせる
- 詩や俳句のように感性を使う場面や、最初の感想を聞く場面で、安易に使わせない
- 使うなら、事実を確かめ、やりとりの記録や出典を残す
文書には、先生が課題を見るときに「自分の経験が書かれているか」という視点を決めておく、という例も出ている。AI の文章は、そこが出にくい。ここは編集部の読みだ。
03宿題を出す前に、1 つだけ言ってみる
「AI を使ったらズルですか」と聞かれても、先生にもまだ答えはない。決める材料は、何を身につけたいか、だ。
次の宿題を出すときに、ねらいを 1 行だけ黒板に書いてみてください。職員会議で読むなら、漫画の最初の黒板と最後の黒板を並べて、宿題のねらいを先に言っているかを見直してみてください。
この先を 1 時間の授業にしたものは、特集の終わりの「授業のセット」にあります。
この記事について
漫画の人物と出来事は、架空のものです。ガイドラインは、文部科学省『初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver. 2.0)』令和 6 年 12 月 26 日の「課題に関する留意事項」(p.19〜20)を要約しました。









