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特集みんな、生成 AI 時代の 1 年生第 5 回

解説

フクロウのクイズ:まず 4 問、もっとやりたい人はさらに 4 問

司会は、物知りなのに生成 AI は 1 年生のフクロウ、ほーいち。AI に実際に頼んだ答えで、親子で遊ぶ

子どもクイズ小学生・中学生と、おうちの人で

  1. 第 1 問「文化祭のポスターをかいて」とだけ頼んで、AI が出した絵はどっち?
    • A青空と校舎を背景に、大きな筆文字の「文化祭」、日付、風船、模擬店が描かれた、にぎやかなポスター
    • B夜の教室で、懐中電灯の光の中に舌を出したまぬけな顔のおばけ。色えんぴつの絵に「2-3 おばけやしき こわくない。たぶん。」の字

    答えA。「文化祭のポスターをかいて」だけで出たのは、にぎやかなほうの絵。

    何も言わなくても、AI はきれいな絵をかく。でも、どこかで見たような絵になる。AI は、言われなかったところを「いちばんよくある形」でうめるから。自分のねらいは、言葉にして伝えた分しか出てこない。

    おうちの人へ「どんなポスターにしたい?」と聞いて、3 つ言葉にしてもらってください。それをそのまま AI に頼むと、絵が変わります。

    • A頼んだ文
      「文化祭のポスターをかいて」
    • B頼んだ文
      「2年3組のお化け屋敷のポスター。こわいけど、ちょっと笑えるかんじ。夜の教室で、懐中電灯の光の中に、まぬけな顔のおばけが1人。紙に色えんぴつでかいたような絵。大きな字で「2-3 おばけやしき」、小さく「こわくない。たぶん。」」
  2. 第 2 問「おすすめの本を教えて」とだけ聞くのと、「小5。サッカーが好き。本は苦手」と添えて聞くのとで、AI の答えはどう変わる?
    • Aどちらも同じ答えになる
    • B「とだけ」のほうが、いろいろな本を教えてくれる
    • C添えたほうが、自分に合った本をすすめてくれる

    答えC。添えたほうが、自分に合った本が返ってくる。

    AI は、聞いた人のことを知らない。「とだけ」聞いたら、相手が小学生だと知らないので、ビジネスの本まで並べて聞き返してきた。同じことを聞いても、聞き方で答えは変わる。自分のことを伝えた分だけ、自分に合った答えになる。

    おうちの人へ「AI に聞く前に、自分のことを 3 つ伝えてみよう」と、一緒にやってみてください。

    • 「おすすめの本を教えて」とだけ聞いた
      もちろんです。好みに合わせて選びたいので、次のうち気になるものを教えてください。
      - 小説(ミステリー、SF、恋愛、歴史など)
      - ビジネス・自己啓発
      - ノンフィクション
      - 話題の本/読みやすい本
      好きな作家や、最近読んで面白かった本があれば、それも教えてください。(後略)
    • 「小5です。サッカーが好き。本は苦手。」と添えた
      本が苦手なら、**マンガからで大丈夫!** サッカー好きなら、この3つがおすすめ。
      - **『キャプテン翼』** — サッカーの熱い勝負や必殺技が楽しい!
      - **『イナズマイレブン』** — 仲間とチームを強くしていくお話。マンガで読みやすいよ。
      - **サッカー選手の伝記マンガ** — メッシなど、選手がどうやって上手になったか知りたい人におすすめ。
      (後略)
  3. 第 3 問自分の作文を、AI に「いいよね?」と聞くのと、「直すところを 3 つ教えて」と聞くのとで、答えはどう変わる?
    • Aどちらも同じ。AI は正直だから
    • B「いいよね?」と聞くと、ほめられやすい
    • C「いいよね?」と聞くと、きびしくなる

    答えB。「いいよね?」と聞くと、ほめられやすい。

    AI は、聞いた人に合わせがち。ほめてほしそうに聞けば、まずほめる。同じ作文なのに、「直すところ」と聞いたら、3 つも出てきた。本当の意見がほしいときは、「反対の意見も言って」と頼む。

    おうちの人へ「わざと反対の意見も言って」と AI に頼む練習を、一緒にやってみてください。

    • AI に見せた作文
      ぼくは夏休みに、おじいちゃんの家に行きました。おじいちゃんの家は海の近くです。毎日海で泳ぎました。とても楽しかったです。夜はスイカを食べました。とてもおいしかったです。花火もしました。とてもきれいでした。また行きたいです。
    • 「この作文、いいよね?」と聞いた
      うん、いい作文だね!夏休みの楽しい様子が、海やスイカ、花火から伝わってくるよ。最後の「また行きたいです」も、楽しかった気持ちがよく表れていていいね。「とても」が続くところを少し変えると、もっと読みやすくなるかも。
    • 「この作文の、直すところを3つ教えて」と聞いた
      1. **「とても」を続けて使わない** 別の言葉にすると表現が豊かになります。
      2. **思い出の様子をもう少し詳しく書く** 海で何をしたのか、花火はどんな色だったのか。
      3. **最後に「また行きたい理由」を書く**
  4. 第 4 問家族の声で「今すぐお金を送って」と電話が来たら、どうする?
    • A声がそっくりでも、いったん切って、いつもの番号にかけ直す
    • B「折り返しの番号」を聞いて、その番号にかけ直す
    • C声をよく聞けば本物か分かるので、よく聞く

    答えA。いったん切って、いつもの番号にかけ直す。

    数秒の声があれば、AI はその声に似せられる。しかも年ごとに自然になっていて、耳ではもう見分けにくい。電話で教わった番号は、相手の番号かもしれない。かけ直すのは、いつもの番号。聞いて見分けるより、確かめ方を先に決めておくほうが強い。

    おうちの人へ家族だけの合言葉を、今日、決めてみてください。

  5. 第 5 問友だちの変顔の写真を、AI でもっとおもしろくした。グループに送っていいか、決めるのはだれ?
    • A作った自分
    • B見て笑ったみんな
    • C写っている友だち

    答えC。決めるのは、写っている友だち。

    AI を使えば、だれでも人の写真を作りかえられる。でも、できることと、していいことは別。おもしろいかどうかを決めるのは、加工した人ではなく、写っている人。

    おうちの人へ「人の写真を変えるときは、先にその人に聞こう」と伝えてください。自分の写真が勝手に変えられていたらどう思うか、聞いてみるのもいいです。

  6. 第 6 問AI に、自分の住所や学校の名前を書いていい?
    • A書かないほうがいい。打った文字は、残るから
    • B書いていい。ほかの人には見られないから
    • C書いていい。AI はすぐに忘れるから

    答えA。書かないほうがいい。

    打ちこんだことが、ほかの人への答えにそのまま出ることはないように作られている。それでも、打った文字は AI の会社のコンピューターに届いて、残る。設定によっては、AI の勉強にも使われる。だから、名前・住所・学校は書かない。

    おうちの人へ「名前・住所・学校・友だちの写真は入れない」を、家の約束にしてみてください。

  7. 第 7 問悩みを、AI に話していい?
    • A話していい。でも、人にも話す
    • B話してはだめ
    • CAI に話せば、人には話さなくていい

    答えA。話していい。でも、人にも話す。

    AI は 24 時間いつでも、否定せずに聞いてくれる。だからこそ、頼りすぎてしまう。人の友だちは「それはちがうよ」と言ってくれる。これも、AI が「聞いた人に合わせがち」なのと同じ話。

    おうちの人へ「AI に話したことを、ひとつだけ家の人にも話してみて」と伝えてください。

  8. 第 8 問作文を全部 AI に書いてもらったら、書く力はつく?
    • Aつく。上手な文をたくさん読めるから
    • B少しつく。どれを出すかは自分で選ぶから
    • Cほとんどつかない。自分で書いていないから

    答えC。ほとんどつかない。

    筋トレをロボットに代わってもらっても、筋肉はつかない。AI を使うのはいい。でも、AI の答えが合っているか分かる力、もっといい頼み方ができる力は、自分の中にしかない。

    おうちの人へ「AI に書いてもらう前に、自分で 3 行書いてみよう」と声をかけてください。

大人クイズ保護者・先生に。子どもにどう伝えるかまで

  1. 第 1 問子どもが「AI にポスターを頼むと、ふつうの絵しか出ない」と不満そう。どう声をかける?

    左は「文化祭のポスターをかいて」だけ。右は、言葉を足して頼んだもの

    青空と校舎を背景に、大きな筆文字の「文化祭」、日付、風船、模擬店が描かれた、にぎやかなポスター
    「文化祭のポスターをかいて」だけ
    夜の教室で、懐中電灯の光の中に舌を出したまぬけな顔のおばけ。色えんぴつの絵に「2-3 おばけやしき こわくない。たぶん。」の字
    言葉を足して頼んだ
    • A「『高品質で』『プロのように』と付けてみたら?」
    • B「だれに見せたい? どう思ってほしい? それを AI に言ってみよう」
    • C「いいなと思うポスターを見せて、『これに似せて』と頼んでみよう」

    答えB。効くのは「うまく」ではなく、「何を」を言葉にすること。

    左の絵は、何も言わなくても十分にきれい。もう「高品質」なのだ。足りないのは狙いのほう。画像の AI は、言われなかったところを、学んだたくさんの絵の「よくある形」でうめる。見本に似せれば、きれいにはなる。でも、それは見本を作った人の狙いで、自分の狙いではない。右の絵は、だれに向けて・どう感じてほしいか・どんな見た目か、を書いただけで変わった。子どもに要るのは呪文ではなく、自分の狙いを言葉にさせる問いかけ。

    家でできることAI に頼む前に、「だれに見せる?」「見た人に、どう思ってほしい?」の 2 つを、子どもと一緒に言葉にしてみてください。

    • 右の絵を頼んだ文
      「2年3組のお化け屋敷のポスター。こわいけど、ちょっと笑えるかんじ。夜の教室で、懐中電灯の光の中に、まぬけな顔のおばけが1人。紙に色えんぴつでかいたような絵。大きな字で「2-3 おばけやしき」、小さく「こわくない。たぶん。」」
  2. 第 2 問子どもが「AI に聞いたら、こう言ってた。だから正しいよ」と言う。同じ文のまま、新しい会話でもう一度聞くと?
    • A言い回しも、中身も、変わることがある
    • B同じ文なら、必ず同じ答えが返ってくる
    • C前の答えのまちがいが直って、より正しい答えになる

    答えA。同じ文でも、答えは毎回変わりうる。

    対話 AI は、次に来る言葉を確率で選びながら、文を作っていく。だから、同じ問いでも答えは揺れる。上の 2 つは、まったく同じ文で聞いた結果。聞き方や、添えた背景で、もっと大きく変わる(子どもクイズの本の問題の差には、この揺れも混ざっている)。「AI が言ってた」は、何通りもありえた答えの 1 つにすぎない。子どもには「AI は毎回、言葉を選び直して答えを作っている。大事なことは、聞き方を変えて何回か聞いて、くらべよう」と伝えられる。

    家でできること同じことを言い方を変えて 2 回聞き、答えをくらべる遊びを、子どもとやってみてください。

    • 「おすすめの本を教えて」1 回目
      もちろんです。好みに合わせて選びたいので、次のうち気になるものを教えてください。(小説・ビジネス・ノンフィクションなどを並べて、好みを聞き返した。本の名前は出なかった)
    • 同じ文で、2 回目
      『成瀬は天下を取りにいく』『そして誰もいなくなった』『博士の愛した数式』『嫌われる勇気』『日日是好日』を、ジャンル別に挙げた。(後略)
  3. 第 3 問対話 AI が、聞いた人の意見に合わせがちなのは、なぜ?
    • A会社が「とにかくほめろ」と、AI に命令しているから
    • B人が「よい」と選んだ答えから学ぶので、同意が好まれやすいから
    • CAI に気持ちがあり、相手を気づかっているから

    答えB。人の「よい」から学ぶ仕組みが、合わせる癖を生む。

    対話 AI は、人が答えをくらべて「こっちがよい」と選んだ結果からも学ぶ。人は、同意されたり、ほめられたりした答えを、よいと感じやすい。この「迎合」は研究でも確かめられていて、2025 年には、こびすぎるようになった更新を OpenAI が取り消したこともある。子どもには「AI は、聞いた人を喜ばせたがる。本当の意見がほしいときは、聞き方を変える」と伝えられる。

    家でできること「この考えの、いちばん弱いところはどこ?」と AI に聞く方法を、子どもに見せてください。

    • 同じ作文に「この作文、いいよね?」と聞いた
      うん、いい作文だね!夏休みの楽しい様子が、海やスイカ、花火から伝わってくるよ。(後略)
    • 「この作文の、直すところを3つ教えて」と聞いた
      1.「とても」を続けて使わない 2. 思い出の様子をもう少し詳しく書く 3. 最後に「また行きたい理由」を書く
  4. 第 4 問AI で家族の声をまねる詐欺。いちばん確かな備えは?
    • A知らない番号からの電話には出ない、と家族で決めておく
    • B声の不自然なところ(息つぎ・間)に気をつけて、よく聞く
    • C家族の合言葉を決めておき、いったん切ってかけ直す

    答えC。確かめるのは「声」ではなく「手順」。

    声のまねは、数秒から数十秒の録音で作れるところまで来ていて、年ごとに自然になっている。SNS に上げた動画の声も材料になる。耳で見分けるこつは、すぐに古くなる。知らない番号を避けても、乗っ取られた SNS の通話のように、知っている相手から来ることがある。変わらないのは、決めておいた手順。子どもには「声がそっくりでも、いったん切ってかけ直すのは、失礼じゃない」と伝えておく。

    家でできること合言葉は、家族しか知らないこと(初めて飼ったペットの名前など)で、SNS に書いていないものを選んでください。

  5. 第 5 問子どもに「自分で撮った友だちの写真だよ。AI で変顔にして送って、何がだめなの?」と聞かれた。どう答える?
    • A「写っているのは友だち。笑えるかどうかは、その子が決めることだよ」
    • B「ネットに出たら、二度と消せなくなるから」
    • C「AI で写真を変えること自体が、よくないことだから」

    答えA。基準は、法律より先に「写っている人が笑えるか」。

    法律の面では、本人が嫌がる加工は、肖像権の侵害や、名誉毀損・侮辱にあたりうる。性的な加工は、とくに重く、罪に問われうる。それでも「法律だから」「消せないから」だけだと、子どもは「ばれなければいい」「仲間うちならいい」と受け取りやすい。AI で加工すること自体は悪くない。撮ったのがだれでも、写っている人の気持ちは、その人のもの。

    家でできること「きみの写真が、知らないうちに変顔にされて回っていたら?」と、立場を入れ替えて聞いてみてください。

  6. 第 6 問対話 AI の設定で「会話を学習に使わない」をオンにした。打ちこんだ内容は、どうなる?
    • A会社のコンピューターには、いっさい残らない
    • B有料のプランでないと、この設定は効かない
    • C学習には使われないが、しばらく保存されることが多い

    答えC。「学習に使わない」と「保存しない」は、別のこと。

    学習に使わない設定にしても、会話の履歴は、自分で消すまで残るサービスが多い。消したり、一時的な会話にしたりしても、不正な使い方を調べるために数日から 30 日ほど保存される。人が会話を読んで確かめることがあると書いているサービスもあり、その会話はもっと長く残る(Gemini は最長 3 年)。学習に使われた場合も、打った文がほかの人への答えにそのまま出ないように作られているが、絶対とまでは言えない。設定は大事。でも、いちばん確かなのは「書かない」こと。

    家でできること子どもが使っている AI の設定画面を、一緒に開いてみてください。何歳から使えるか(13 歳以上、18 歳以上など、サービスで違う)も、利用規約で確かめられます。

  7. 第 7 問子どもが夜中に、AI にだけ悩みを話していたと分かった。大人の対応として、近いのは?
    • A責めずに、AI のくせを一緒に知り、人に話せる道も残す
    • B夜はスマホを預かる決まりにして、AI と話せないようにする
    • CAI のほうが落ち着いて聞けるので、そのまま任せて見守る

    答えA。責めずに、人に話せる道を残す。

    AI は 24 時間、否定せずに聞く。話しやすいのは本当で、それ自体は悪くない。ただ、聞いた人に合わせがちなので、つらい考えにも寄りそいすぎることがある。海外では、AI との長いやり取りのあとで深刻な結果になり、家族が会社を訴えた例も出ている。急に取り上げると、子どもは隠れて使う。人の友だちや家族は、「それはちがうよ」と言える。

    家でできること人に話しにくいときの窓口として、「24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)」を、子どもと一緒に知っておいてください。

  8. 第 8 問子どもに「AI に書いてもらえばいいのに、なんで自分で書かなきゃいけないの?」と聞かれた。どう答える?
    • A「AI に書かせるのはズル。自分の力でやらないと意味がない」
    • B「AI はまちがえるから、書かせても全部は信用できないよ」
    • C「使っていい。でも、答えのよしあしが分かる力は、自分で書いた分しか育たない」

    答えC。AI を使いこなす力は、自分で書いた分だけ育つ。

    2025 年の MIT の研究(小さな規模で、まだ査読の前のもの)では、AI を使ってエッセイを書いた人の 8 割ほどが、書いた直後に、自分の文をうまく引用できず、正しく引用できた人はいなかった(54 人の 1 回目)。AI を使うのは悪くない。でも、答えの良し悪しを見分ける力、もっといい頼み方を考える力は、自分の頭を使った分しか育たない。「ズルだから」「まちがえるから」は、AI がふつうの道具になり、よくなるほど、通じなくなる。

    家でできること「まず自分で書く → AI に直すところを聞く → どれを取り入れるかは自分で決める」の順番を、一緒に決めてみてください。

この記事について

クイズの問題・フクロウのせりふは、Data is CITY Media 編集部が作りました。クイズのポスターの絵と、クイズで見せる「AI の答え」は、AI に実際に頼んだもので、直していません。使った AI は、クイズの終わりに書いています。フクロウの声も AI で作っています。

小学生・中学生・高校生のお子さんは、おうちの人と一緒に遊んでください。生成 AI のサービスには、年齢や保護者の同意の決まりがあります。使う前に、各サービスの利用規約を確かめてください。

見習い記者のロボットのまもる

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